エイベリスの特徴

仕事のこと

眼科の門前のわりに、眼科の薬をあまり知らないのでここいらで一つ勉強を。
今回は良く出る割にEP2受容体作動薬ということくらいしか知らないエイベリスに焦点を当ててみた。

エイベリス:世界初のプロスタノイドEP2受容体作動薬

2018年11月販売 製造販売:参天

ちなみに私が大学時代に習ったプロスタグランジンはこのプロスタノイドに含まれる概念で
プロスタノイド=プロスタグランジン+トロンボキサン
なんだけど。

簡略のためここではエイベリスも含めたプロスタグランジン関連の点眼はPG系点眼と表記することにする。

今までのPG系点眼薬は色素沈着、まつ毛の異常が問題になることがあり、この副作用防止のためには点眼時に皮膚に付着した薬液をウェットティッシュで拭きとったり、洗顔したりする必要があった。
この目の周りの色素沈着についてはPG系点眼を使っていると医師、薬剤師であればすぐにそれと分かると思う。それくらい特徴的な見た目になる。

男性の場合は目の周りの色素沈着は気にならないかもしれませんが、女性の場合は気にすることも多い。

 

ここで登場したのがエイベリス。

 

エイベリス点眼液の一番の特徴は他のPG系点眼と異なり、まつ毛や瞼への色素沈着のSEが少ないことである。確かに添付文書にはこれらの副作用の記載がない。しかし、充血のSEは10%以上と他のPG系に比して高めである。

充血については点眼して4時間後から消え始め、8時間後にはほぼ消失するため、もし充血が気になるのであれば夜の点眼をお勧めすると良いとのこと。

また防腐剤フリーのディスポーザブルタイプ(エイベリスミニ)も販売されている。

エイベリスの欠点としては以下のものがある。
・無水晶体レンズや眼内レンズ挿入眼(白内障Opeの患者には使えない
・タプロスと併用禁忌

まあ、タプロスとの併用禁忌は同種同効薬なので仕方ないとして。
眼内レンズ挿入についてはうちの患者さんでは白内障Opeをするケースが結構多いので、使えない患者さんも多いかもしれないというのが難点だ。

以上。

以下、2024/8/31追記
とある患者さんから指導せんに記載のある下記の文言について質問を受けた。

「冷所から出してすぐ使用すると落ちやすくなります」

という記載。患者さんは落ちやすい=効果が落ちやすい、と解釈したとのこと。

薬剤師だと落ちやすいのは液体が出やすいんだろうと解釈するが、確かに「落ちやすくなる」という文言は人によって誤解を与えかねない。少なくとも患者向けの指導せんなんだから、もうすこし万人が理解できやすい文言にして欲しいなと思う。というよりも主語が無い時点で指導せんとして致命的なんだけど。

念のためメーカーに確認したところ、やはり冷所から出して使用すると内外の温度さによる気圧差が生じ、容器内の圧力が高まるため、液体が出やすくなってしまうのだそう。
防止するためには開封後は室温においておけばいいんだろうが、夏場だと室温が30℃を超えることもあるようで、冷所にしまうことも検討しなくてはならない。

そういった場合は、出した後は手で握って温め、ふたを開けるなどして容器内の空気を抜いてから点眼すると良いそうです。

以前から興味のあったWordPressに挑戦してみました。
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