ヤバい薬局ポイント 其の3
今回は3つ目のポイントになります。
3つ目のポイントは入社前に確認するのはちょっと難易度が高いかもしれませんが業務をストレスなく円滑に行うために重要なものです。
薬局には心身ともに病んだ方がいらっしゃるので、患者さんの状態によっては色々なトラブルが発生します。
今回は不測の事態に対する対応にまつわる話になります。
欠品など不測の事態への対応が出来ない
薬局では調剤で薬が欠品することはザラにあります。
これは面処方を受け付けている以上は仕方のないことですし、見知らぬ医療機関からの処方せんを受け付けた場合は最悪、全欠品することもあります。
欠品すること事態は仕方のないことですが、重要なのはその時の対応です。
欠品時の対応はクレームになるか否か、今後患者さんがリピートしてくれるかどうかの判断材料になるので大変重要な業務になります。
欠品時の対応の流れがスムーズでない薬局はダメな薬局と言えます。こういう薬局は不測の事態に弱く、不測の事態が発生しやすい医療現場では過誤を起こしやすい薬局とも言えます。
まずは受付の対応に注目!
欠品の有無に気づくのは最初に処方せんを受け付けた段階です。多くの薬局では受け付けは事務員がやっているので、事務員の対応が最初のポイントになります。
勘の良い受付対応者なら、処方せんを受け付けた段階で、自分の薬局に在庫があるかどうかの当たりは付きます。
さらに言えば、新患の場合も薬が無いかもしれない可能性を考慮した対応ができます。
馴染みのない医療機関から処方や新患を受け付けた場合、患者を安易に外出させることは危険極まりない行為です。
処方せんを置いて外出される患者さんは結構多くいるんですよね。
在庫の無い処方せんを受け付けた場合、その後の薬のやり取りについての交渉が必要になります。
ですから、在庫の有無が明確になるまで外出を控えて頂くか、特に新患の場合は不測の事態に備えて説明の上、連絡が可能な携帯番号などを聞いておくのがデキる薬局のスタッフといえます。
しかし、中にはそういう対応が出来ず、在庫がないことが判明した時には既に遅し。患者は外出していて連絡が付かないことがあります。
もちろん、患者さんが外出から戻られたときにはすっかり薬は準備できていると思ってますから、薬が揃ってないとなると高い確率でクレームになります。
欠品時の対応をスムーズにするためにはマニュアルと教育、そしてある程度、その薬局での経験が必要になります。
逆を言えば不測の事態にスムーズな対応が出来なかったり、経験が浅くて在庫の勘が働かない人には受付を一人で任せてはいけないんですね。
これは個人が悪いのではなく、そういう対応が出来ない人に受付を任せる管理職が良くありません。またそう管理職が管理している薬局は例外なくヤバいです。
薬がないのに連絡先が分からない!
先日もとある新患の薬が84日分処方されましたが、一部在庫がない薬があり大騒ぎになっていました。
受付の方が中途で入ったばかりの方でロクに処方せんの内容も確認せず、連絡先も確認しないまま患者さんを外出させてしまったんですね。当然欠品していることを伝えられないわけです。
こういう場合仕方がないのでお手帳を確認し、継続中の薬かどうかを推測します。
というのも継続中の薬なら残薬がある場合が多いからです。
ですが、お薬手帳を持参されていなかったため情報がありませんでした。
しかし。
84日分と長期処方だし、漸増する薬で安定期の用量でした。
その場合、残薬に余裕があると推測するのが一般的です。
『きっと継続中の薬だから急がなくても問題ないだろう(*’ω’*)』
という私の予想に反して薬局内は事務及び薬剤師総勢5名を巻き込む大騒ぎとなりました( ゚Д゚)
こういうのがダメな薬局になります。
欠品が生じるたびに大勢で取り掛かられると他の業務が止まってしまいますし、患者さんの迷惑になります。
また新患なので、GEかどうかの判断も出来なかったようです。GEならうちに在庫があるのですけどね。
近隣薬局には先発の在庫はありますが、高価なお薬で数万程するお買い物になります(*’▽’)
それならば、まずはとりあえずGEで調剤し、患者の来局を待ち、その上で説明するのが筋でしょう。
つまり、その状態で出来ることは落ち着いて来局を待つことくらいなんですよ。
先発希望の患者でも無いものはないし、震災などの不測の事態に備えて
1週間程度の残薬をストックしておくことは国としても推奨しているのですから。
それをしてないことは患者さんの落ち度でもあるし、それを国民に啓蒙しない薬局薬剤師の落ち度でもあります。
そして次回以降そういうことがないように管理薬剤師が薬局としての初回の受付対応のオペレーションを練るべきなんですよね。
そして何より中途採用の人間を受付に立たせるなら教育を終えてから立たせることです。
こちらの薬局の欠品時の対応は??
番外編ですが、こがねむしが転職活動をしていた時も、欠品対応については結構突っ込んで聞いていました。
そこでとある薬局で欠品時の処方せん受付について聞いたところ『欠品しそうな薬がある処方せんは受付ない』という驚きの回答をした薬局もありました。
これも相当ヤバいですね。
薬剤師の方なら知っていると思いますが、薬剤師には調剤の求めに応じる義務(応需義務)というものがあります。
この通り、薬剤師は『正当な理由』が無ければ調剤を拒否することは出来ないんですね。欠品はもちろん拒否する『正当な理由』とはみなされません。
ということで、欠品などの不測の事態に対する対応はその薬局の誠実さ、臨機応変さ、ひいては過誤の多さを推察するポイントにもなりますので出来ればチェックしておきましょう!
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