何回か書いているが、うちの職場はインシデントが多い。
あくまでも個人的な意見ですが、インシデントもタチが良いものと悪いものがあると思っています。
薬剤師である以上、薬に関するミスはしてはいけないという大前提をもとに言いますが。
計数間違いであれば患者さんへの健康被害は(ほぼ)無いので、人間が介入する以上は間々あるであろうミスだと思っています。
ですが。
これが規格違いや別物だと話は違ってきます。
これらのミスは患者さんの健康被害につながる可能性のあるミスになります。
規格違いでもまだ小さい規格であれば過量投与は防げますが、医師が意図した薬効は得られないでしょう。
何より別物が一番危険です。なんせ別物なので健康被害が出る可能性もあります。
うちのお店ではここの所、計数、別物、別人に手帳をお渡しするというインシデントが続発しています。それ自体も問題なんですが、このミスは実は全て同じ薬剤師(Aさん)がやっています。
Aさんは中途の方で入社して間もないですが、この期間に4、5件報告書が必要なミスを起こしています。
薬剤師歴な15年オーバー。うち12年は病院で直近3年は調剤薬局、つまり同じ業界でした。そして経験年数からもそこそこ年齢も行っています。
普通はその経験年数とその年齢でミスを防いでいくのが筋でしょうが、やはりミスが目立つのです。
そのことを知人に相談したら、

40過ぎて自分のチェック機構も確立できてないなんて残念な人だね。
とのことでした。
その言葉を聴いて、ハッとしました。
今から12年前、私が薬剤師1年目で仕事をしている時のこと。
当時の管理薬剤師にどうやったら調剤過誤が防げるのか、という話題になったことがありました。
その時に管理薬剤師が言っていたのは、
自分のやり方を模索して、いったんそのやり方を決めたらその手順を絶対に崩さないこと
でした。
それ以降、やり方を模索して自分なりに確立したやり方を(なるべく)守ってきました。
思い返せばミスをした時はそのやり方を崩した結果、確認動作をスキップしていました。当時の管薬は大切なことを教えてくれていたんですね。本当に感謝です。
若手の頃に聞いていた教えを忠実に守ることで自分の手順が確立し、それが知らぬ間にチェック機構を果たしていたのかもしれないと実感した出来事でした。