Webニュースで久しぶりにレミッチが取り上げられていたので忘備録として。
レミッチと言えば、透析患者の痒みに用いる薬である。
私も1年目で透析医療に携わった時にレミッチカプセルを触ったことがあった。見た目はアミティーザの12mgに似ていたという印象がある。あるいはロカルトロールカプセルにも似ているかも。乳白色のカプセルだ。
触らなくなって久しいけど、つい最近レミッチを巡る訴訟の判決が出たとのことであった。
とはいえ訴訟になっているのはレミッチカプセルではなく、その後販売されたレミッチOD錠であるが。しばらく見ないうちにOD錠も販売されていたんだね。
改めてレミッチの添付文書を見てみると2009年に販売が開始しており、製造販売元は東レ株式会社で販売は鳥居薬品だった。恥ずかしながら東レが医薬品製造もやっていることを改めて知った。
東レは有効成分「ナルフラフィン」を痒み改善薬「レミッチ」に使う用途特許の期間が切れる2017年に延長を特許庁に申請した。
沢井製薬と扶桑薬品は翌2018年に同じ有効成分に添加物を加えたGEについて厚生労働省から承認を得て製造販売を始めた。
訴訟では延長を申請した用途特許の保護範囲や、特許侵害の有無が主な争点になった。
東レ側はGEが新薬と異なる添加物を使っていても、かゆみ止めの効果は変わらないため、特許権を侵害していると主張。2社側は延長された用途特許の保護範囲は狭まり、成分の異なるGEは実質的に同じ製品とは言えないと反論した。
知財高裁は5/27の判決で、東レの主張に沿う形でGEメーカー2社に寄ろう特許侵害を認めた。一審の東京地裁は21年の判決で東レの賠償請求を棄却していた。
和裁製薬の親会社サワイグループホールディングス、扶桑薬品とも、最高裁判所へ上告する準備を進めているとのこと。
医薬品の特許は①有効成分である新規化合物に関する物質特許②化合物を特定範囲に使う用途特許③特定の医薬品を作るための製剤特許の3種類がある。延長登録による保護される範囲については法令上、明確に示されていない。
なるほど。東レは特許が切れる前に延長申請を出していたけど、GEメーカーとしては特許として保護される範囲が明確でないことを逆手(?)にとってGEの製造販売を開始した。そこに東レが訴訟を起こしたというところなんだろう。