ビソプロロールとホクナリンテープの併用

仕事のこと

本日頻脈でビソプロロール服用中の患者に喘鳴がみられるということで、ホクナリンテープが処方された事例がありました。

この併用は前の薬局に勤務していたころも良く見ていたし、別に気にも留めていなかったが、鑑査者に『両者は作用が拮抗していて併用注意になっているが大丈夫か?』と問われました。

というか、、、。

その点も含めて判断するのが薬剤師なのでは?とも思ったが質問されたので私は今までも普通に調剤してきた旨を伝えた。

まあ、確かにビソプロロールはβ1選択的阻害薬で、ツロブテロールはβ2選択的刺激薬である。

β受容体、という作用点だけに着目すれば両者の作用は拮抗してます。

 

 

で・す・が!

 

 

高齢者で喘息なんて沢山いますし、高齢者であれば高血圧や狭心症、頻脈でビソプロロールを使っている人はそれこそ山ほどいます。

こうした人達にこの両者が併用できない、或いは併用注意だからと言っていちいち出し渋りをしていたら、医療が成り立たないじゃないですか。

しかも、ビソプロロールはもちろんβ1選択的だし、ツロブテロールはβ2選択的なので、併用に際しては問題無いと私は考えるのです。

 

これって薬剤師なら普通の思考なのかなと思いましたが、どうやらそうでもない薬剤師もいらっしゃるようです。

 

それはさておき、両者の併用について少し心配になったので調べてみることにしました。

 

そこで鹿児島県病院薬剤師会のDIにてビソノテープとホクナリンテープの併用に関する情報が記載されていたので引用しておきます。

Q:ビソノテープを使用中の患者に、ホクナリンテープを処方してもよいか。(院内医師)

A:ビソノテープの主成分であるビソプロロールはβ受容体のアンタゴニストであり、β1受
容体に対する親和性はβ2受容体に比べ14.5倍強い。
添付文書の慎重投与の欄には「気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者」の記載があ
る。
なお、ホクナリンテープの主成分ツロブテロールはβ2受容体のアゴニストであり、心拍
数に影響することなく気道狭窄抑制作用を示す(イヌ)。
なお、ホクナリンテープの添付文書・慎重投与の欄には「高血圧症の患者」「心疾患のあ
る患者」の記載がある。

以上のことから、それぞれの添付文書の慎重投与の欄に記載はあるものの、各受容体への
親和性、医師の判断と合わせて併用は可能であると判断した。
ビソノテープ添付文書
ホクナリンテープ添付文書
(トーアエイヨー 信頼性保証部)

参考Web:鹿児島県病院薬剤師会 DekonImo通信 第22号 2018.3

ということで、やはりビソプロロールとツロブテロールは併用しても問題なさそうである。まあ、そうですよね。

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