今回初めて扱う処方例があったので忘備録として記録しておく。
処方元は大学病院の小児科で早産で産まれた乳児の処方せんです。
患者さんはAちゃん月齢4カ月の女の子 Bw:5.5kg 妊娠33週で産まれた未熟児です。
Rp2.アルファロール内用液 1回0.7ml 1日1回朝食後 35日分
処方以前に早産がいつからか分からないのでそこからおさらい。
妊娠週数について
良く言われる出産予定日は妊娠40週0日(満280日)とされる。妊娠週数の起点となるのは最後の月経の開始日となる。この日を妊娠0週0日として予定日が確定し、以降変えることは基本的にない。
生理周期が正しい場合、月経が開始し2週間後に排卵したと仮定すると妊娠週数の最初の2週間は妊娠していない状態となる。あくまでも産科学で定められた定義である。
以下は妊娠週数とその時期の特徴。
4週~7週⇒妊娠2ヶ月 ←月経が遅れ、妊娠に気づく頃
8週~11週⇒妊娠3ヶ月 ←つわりが出始める頃
12週~15週⇒妊娠4ヶ月 ←流産の可能性が低くなる(安定期)
16週~19週⇒妊娠5ヶ月 ←おなかが目立つようになる
20週~23週⇒妊娠6ヶ月 ←胎動を感じるようになる
24週~27週⇒妊娠7ヶ月
28週~31週⇒妊娠8ヶ月
32週~35週⇒妊娠9ヶ月 ←6週前から産休が取れる
36週~39週⇒妊娠10ヶ月 ←臨月
通常、赤ちゃんは妊娠37週0日から41週6日までの35日間の間産まれ、この時期を『正産期』という。それ以前の22週0日から36週6日までに生まれると『早産』。42週0日以降に産まれると『過産期』と言われる。
さて、ようやくアルファロール内用液について調べてみましょう。
アルファロール内用液0.5μg/mlについて
アルファロールと言えばビタミンD製剤で私の経験では9割方骨粗鬆症での適応だった。あとは副甲状腺機能低下症くらいでしか出したことが無かったが、よくよく調べてみると未熟児におけるVD代謝異常にも使用されるようです。
小児用量は骨粗鬆症と未熟児の場合は量が異なり、未熟児の場合は1日1回0.008~0.1μg/kg(0.016~0.2ml/kg)を経口投与するが、症状により適宜増減が可能となっている。
使用に当たり、量が少ないため専用のスポイトを用いる。1滴はアルファカルシドール0.01μgに相当する。
この処方例の場合1日0.7mlなのでアルファカルシドールとしては0.35μgとなる。体重は5.5kgなので0.044~0.55μg(0.088~1.1ml)となり用量としては範囲内に入っていて問題なし。
調整法については添付文書に天保のスポイトを用い、目盛りにより正確に測るか滴数を正確に測るよう記載がある。また、外箱には分割調剤時にはプラスチックの投薬瓶を使用しないこと、専用の分割用遮光のガラス瓶を使用するよう注意書きもある。専用の分割容器はメーカーが提供してくれる。
プラスチックの投薬瓶を避ける理由はアルファロール内用液の添加物である中鎖脂肪酸トリグリセリドがプラスチックを変質・脆化させる恐れがあるからとのことでした。
中外製薬:アルファロール内用液
よくあるご質問より
今回で3回目の処方せん応需だったようだが、前回はプラスチックで投薬してしまっていたらしい。今後は注意しないとですね!
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