先日、手術前にサンピロ点眼が出されていた。
サンピロ点眼はピロカルピンが成分でコリン作動薬。
というこは瞳孔括約筋を刺激して縮瞳に作用する薬である。
眼科関連ではOpe前には散瞳させるイメージがあった。
緑内障Opeの場合、何故縮瞳させる必要があるのか調べてみた。
縮瞳させる場合とその理由
緑内障が軽症で早期の段階であれば一般的にはレーザー治療を行う。レーザー治療にはレーザー虹彩切開術(LI)や選択的レーザー繊維柱帯形成術(SLTレーザー)がある。
LIでは虹彩に穴をあけ、SLTレーザーでは繊維柱帯の隙間を広げる。そのためには縮瞳薬を点眼して縮瞳させ虹彩を広げる必要がある。
散瞳させる場合とその理由
一方、白内障と緑内障の手術を同時に行う場合や、観血的な手術の場合は散瞳させあることが多い。
同時手術は白内障のために緑内障が悪化する恐れがあるときなどに行う。この場合、白内障が原因で水晶体が厚くなっているため、虹彩を押し上げてしまう。そのことで隅角は狭まり、房水の排出を妨げる原因となっている。白内障手術を行って、分厚くなった水晶体を薄い眼内レンズに置き換えることにより隅角を広げ、房水を排出しやすくなる。
また、虹彩が繊維柱帯と癒着しているような重症度の高い場合も、レーザー治療では対応できず、隅角癒着解離術や繊維柱帯切開術などをする必要がある。このような場合は縮瞳させて虹彩が伸びた状態では隅角や繊維柱帯の観察が出来ないため、出来るだけ散瞳させて状態を見ながら手術をする必要がある。
まとめ
緑内障のOpeの場合、角膜の混濁が無く眼球内を観察できる場合は縮瞳している方が虹彩が延びて孔をあけやすくなる。そのため、簡単な緑内障単独手術であれば縮瞳させる。
一方、角膜の混濁が高度で、虹彩が繊維中台と癒着している範囲が広い場合、白内障手術と同時に行い、隅角を広げたり繊維中台を切除したりする。その際は散瞳している方が光彩が縮んでいて隅角や繊維柱帯、水晶体を観察しやすいため、散瞳させる。
眼底検査の場合
眼底検査は散瞳薬を点眼して動向を広げ、眼底カメラや眼底鏡を使って眼底の血管を調べる。
散瞳薬を使わず、眼底カメラで撮影する方法も増えている。
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