現在咳止めを始めとしたさまざまな医療用医薬品が不足しているの状況は先の記事でも書いた通り。
出口の見えない医薬品不足にはホント疲弊しますね。
それでも何とか解熱鎮痛薬は凌げていました。
うちの薬局の門前は糖尿病と眼科だけど、駅前という立地のため小児科の処方も良く来る。
したがってカロナールもバンバン出ることが多い。そんな中まず最初にカロナール細粒20%が底を尽きた(しかもわりかし早めに)。そしてカロナールSYがあったりなかったりするが、アセトアミノフェン40%細粒は数箱在庫があったのでこちらで細々と繋いできた。
しかし。
2023年12月中旬。頼みの綱のアセトアミノフェン細粒40%の在庫も底を尽きてしまった。
残るはカロナールSY500ml/本が1本と既に開封済みのカロナールSYがわずかばかり。
小児科の門前ではないとはいえ、周りに小児科も多いのに何とも心もとない…。
錠剤を粉砕するしかないか…。と、こがねむしが調べてみると、実際に解熱鎮痛薬が無くカロナール錠200mgを粉砕して乳糖を賦形し20%細粒と同じ濃度にして予製をするケースもあるらしいことが分かった。しかも3か月ほどは保管可能らしい(要遮光などの条件あり)。更に昨今の医薬品不足による粉砕ということもあり、自家製剤加算も算定できるという。
参照:カロナール細粒がない!そんなときの秘策(日経メディカル)
医療用解熱鎮痛薬等の在庫逼迫に伴う協力依頼(厚労省)
まあ、タミフルDSも脱カプセルしているご時世だし四の五の言っていられないでしょう。
粉砕して問題解決、と思いきや、どうやら問題は粉砕後の味のようです。
どこを調べても『苦みにが強い』ということが書いてあり、私としてはどの程度苦みがあるのか気になりました。
実際に味を知らないと親御さんも説得力を持って説明できない、と思い、1錠だけ粉砕して20%のカロナール細粒を作ってみました。
そして味見してみると…。
これが激マズの激苦。
カロナール錠独特のメントールの風味の後に粉砕した苦みの粒子が舌にねっとりまとわりついてくる。ピリピリ刺激すら感じる強い苦み。たまらず自前のルイボスティーを飲んだら普通のお茶なんですが、とても甘く感じました。
お茶が甘く感じる程粉砕したカロナールは苦みが強いんです。これは恐らく大多数のお子さんは飲めないと思います。そのまま口に入れたら吐き出すと思います。
周りの薬剤師にも味見してもらい、結局予製として常備するのは辞めておくこととなりました。
もし、どうしてもという親がいれば苦みについて説明の上粉砕調剤することにしました。
お薬飲めたねやオブラートも使えると思いますが、そこまでして熱を下げる必要性も分かりかねますし。熱性けいれんの予防であれば坐薬もありますしね。
いや、ほんと苦かったなぁ。
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