職場の2年目の子が患者さんからクレームを受けたようだ。
今回はこのクレームと調剤に関する待ち時間について個人的に感じたことを書きたいと思う。
受けたクレームの内容は下記の2つ。
一つは前回お渡した薬の数が足らなかったことと、もう一つは待ち時間の長さだった。
まず一つ目の数不足について。お渡しした薬のうち、前回から新規で始まったカナグルの数が10錠ほど足らないとの訴えがあったそうだ。
店舗在庫はマイナスだったため管薬が渡し漏れはないと判断(これも問題だと思う)し、渡し漏れである可能性が極めて低い旨伝え対応実施。その際は患者さんは次回医師に不足分を調整してもらうことで鞘を収めたようだった。
しかし、昨日来局した際に投薬した薬剤師が患者さんにひとしきり文句を言われたという。その際の苦言としてもう一つのクレームである待ち時間が長さが話に上がったようだ。
これはもしかしたら数不足の対応の不備のとばっちりもあったのではないかと感じる。
もし、最初の数不測のクレームの段階で非を認め郵送対応していたら恐らく待ち時間のクレームは出なかったのではなかろうか。
そこは運(対応?)が悪かったかもしれないが、待ち時間は薬局では永遠のテーマである。いや、きっと病院でも永遠のテーマなのだろう。いやいや、サービス業全般に言えるのかもしれない。
薬は処方せんを出せばすぐにお渡しできるわけではなく、受け付け→入力→ピッキング(調剤)→鑑査→投薬→会計の流れを踏む必要がある。
律速段階は入力、ピッキング(調剤)、鑑査の3ポイントとなる。そのうち薬剤師が関与するのはピッキング(調剤)と鑑査だ。
今は流通不良の薬も多く、ピッキングの段に見つかると患者対応がワンテンポ遅れてしまう。これも待つ身の患者にとってはストレスになる。
受付~投薬の間に発生する問題に対して以下に素早く対応できるかがクレームになるかならないかのポイントとなる。
待ち時間のクレームは何故起こるかと言うと、
患者の「もうできるだろう」という時間感覚と薬剤師の鑑査に要する時間感覚のズレが生じるからだ。だったらそのズレを是正したり相手に認識してもうしかない。
時間がかかりそうなら予め時間の目安を教えておくと理解されやすいし、クレームになりにくい。また、疑義照会に時間がかかるときも今の状況を伝えると納得してくれるケースが多い。
もちろん、その患者の性格にもよるが普通の患者であれば時間がかかる理由の説明、おおよその時間、進捗を報告、そしてお詫びをしていればクレームにはほぼならない。
今回の待ち時間のクレームについては私は概要しか知らない。しかし、クレームに至ったということはこのどれかの要素が足らなかったのだろうと思う。そして結果双方の時間感覚のズレという溝が埋まらないまま、患者の満足度を著しく下げたんだろう。
また他の要素として、本当に鑑査に常識外れの時間がかかってしまった可能性もある。
新人は得てして鑑査、入力に時間がかかりがちになる。
これは周りとのテンポを比較して、どのくらいのスピードで鑑査する必要があるのか本人に自覚してもらう必要がある。私は新人の頃は周りと比較して番号が遅れないように必死でくらいついていたが、果たして2年目の子はそこをどのくらい意識しているだろうか。
クレームが生じる原因が時間感覚のズレか、正当な鑑査の時間なのか、明確には分からないがクレームを受けにくい人はこのあたりのバランス感覚が優れていて患者に不満を抱かせ肉んだろうなと感じる。