繰り返されるインシデント~恐怖の予製入力~

仕事のこと

うちの店舗(会社?)はインシデントが多い

少なくとも前の会社よりインシデントの件数は確実に多い。うちの会社は良くも悪くもルールが緩い。そして中途入社が圧倒的多数なので各々が各々のルールで調剤を行う。危機管理も倫理も各々のスタッフに左右される。それゆえにインシデントも多発しているんだろうと感じる。

しかも、インシデントが発生してもインシデントとして報告件数に上げない場合も多く、したがって対策が講じられないまま放置されている始末。その結果インシデントが繰り返されてしまうのであった。

あまりにも同じインシデントが繰り返されるのでここいらで自分なりに問題点を考えてみようと思う。

 

繰り返されるインシデント、その内容とは…

今回のインシデントは別の薬剤師が起こしたものだが、私も、また他の薬剤師も痛い目を見たインシデントであった。

 

 

それは。

 

 

 

予製された一包化の入力間違いである。

 

予製入力とインシデントが起こる要因

うちの店舗では予製する場合、在庫からその分を引くために予製入力を行う。予製入力とは予製用の保険番号を用いて次回来局予定の日付で仮に入力を行うものである。予製入力には前回の処方内容を利用する。

その入力で在庫を差し引き、前回処方の支援票を用いてピッキング→ピッキングシステムを通し、一包化→予製鑑査を行うのである。

予製鑑査は後日当該処方が来た際には調剤に流用されるが、その際、ちゃんとした保険で再度入力をする必要がある。

 

その再入力の際に入力を間違えることがたまに起こるのである。

 

要因その① ルールが徹底されてない

再入力は既に予製用の保険で入力されたものをDo機能を用いて引っ張ってくるだけ(のハズ)。よって基本的に予製と入力はイコールとなる(ハズ)

しかし…。

Doで引っ張るだけ、というルールがあるにもかかわらず入力時に変更を加えてしまうことがあるようだ。

それは処方をチェックして内容が違うと思って直したのかもしれないし、変なボタンをうっかり押してしまったのかもしれない。

とにもかくにもDo機能で引っ張られないケースがある。今回もその手の誤りだった。

今回はDo機能で引っ張った処方内容に処方内容をチェックしたうえで変更を加えたようだが、その変更が間違っていたというオチ。

ルールも守ってない上に、処方チェックも誤っているという2重のミス。
(ちなみに当該入力の事務員は大柴胡湯と小柴胡湯を普通に間違えてピッキングしてしまうおっちょこちょいさんです)

とはいえ、結局鑑査で入力ミスを見逃したのは薬剤師なので、最終的な責任は鑑査者にあるですけどね。

要因その② 処方の書き方が不適切

さらに言うと、処方せん表記も分かりにくいのもミスを誘発した原因と思われる。どう分かりにくいのかと言うと、この医療機関、一包化の処方を用法ごと分けてに入力してくるのである。

実際の処方は下記の通り。

Rp1.トアラセット配合錠 1T
ミヤBM錠 1T 1×夕食後 27日分
一包化Rp2.ジルニジピン錠10mg 1T
トラムセット配合錠 1T
ミヤBM錠 1T 1×朝食後 27日分
一包化

正直用法で分ける意味は何?と思います。良くない処方の書き方ですよね。今回最初の1錠だけを見て予製入力を2T→1Tに直してしまったようです。それで1T2×になってしまったというミスでした。

上記の処方は通常は以下の様に用法が同じものでまとめると思います。

Rp1.トアラセット 2T2× 朝夕食後
ミヤBM 2T2× 朝夕食後 27日分Rp2.シルニジピン 1T1× 朝食後 27日分
※備考欄に一包化指示あり
このように処方せんを書けば今回の入力誤りも防げたのではないかと思います。
処方通りに入力しても調剤報酬の計算上、レセコンが用法ごと(剤ごと)にまとめます。ですから入力内容と処方せんの不一致が起こり、今回のような入力ミスが起こるのだろうと思います。
ただ、門前の医療機関もこの処方の書き方でやっているし、今更剤毎にまとめろなんて当たり前の指摘はしにくいですよね。最初から言えって思いますし。

その③ 個人の特性

ということで、一包化の予製がある場合の処方入力は今後もより慎重に鑑査する必要がありそうです。
最期になりますが、ミスをする人は大体決まってます。その個人の特性により注意力が上手く働かないのだと思います。処方せんに丁寧に記載してもその指示すら間違える人も居ます。
残念ですが、この仕事をしていて7年目の方とかでもそういう間違いが減らない人も居ます。ですが、そういう人でも仕事をしてもらわないといけないのです。
うちの店舗は入力者は調剤録に押印をすることになってます。このルールすらも徹底されてないのでたまに入力者が分からないこともありますが。
ミスをする人はほぼ決まっているため、ミスをしやすい人が入力者の時は特に注意を向けるというのもインシデントを減らす一つの手と言えますね。
追記
うちの会社では全店ミスゼロ子というピッキングシステムが導入されている。ピッキングした薬剤は喘息全てシステムを通すルールになっている。そしてこれは徹底されている(ハズ)。
なので、一包化+PTPシートや外用の場合は予製済みの一包化分だけシステムを通っている状態のため、処方当日に予製入力以外のPTPや外用薬を改めてピッキングする。そしてシステムを通す。
ミスゼロ個は日付と入力番号でデータの照合をかける仕組みとなっている。したがって、予製入力の来局予定日=来局日の場合は入力番号で呼び出した際に一包化分の薬が照合された状態となっており、その他の未予製分だけ照合すればすべて照合された状態となる。
しかし、来局予定日≠来局日だった場合、照合済みの予製入力の日付と入力番号と異なるため全ての照合が出来ない。その場合は私は個人的に、予製剤に入っている(ハズの)空のPTPシートを頑張って読み込ませて照合させている。
何故なら既に予製鑑査済みでも怖いから
薬剤師は「~だろう」ではなく「~かも知れない」と疑ってなんぼの職業だ。
定年まであと十数年、重大なインシデントを起こしませんようにと願うばかり。
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