ラコールNF半固形が販売中止へ

仕事のこと

ラコール半固形製剤との出会い

在宅医療に携わっていると胃ろう、腸瘻を増設している高齢者を見かけることがある。

私が初めてラコールNF半固形に触れたのは2015年のとあるリウマチ患者さんの在宅医療の処方であった。

当該患者さんは大学病院で入院していたが、この度状態が安定したため、在宅医療に切り替わったのだった。そしてその時初めてラコール半固形という存在を知った。添付文書を見たところ販売開始年月は2014年6月だったのでわりかし販売後すぐに触れることができたようだった。

転職するまで長らくラコール半固形を定期的に扱ってきたが、そのラコール半固形が販売中止になるようだった。

販売中止に関するお知らせはコチラ

ラコールNF配合経腸用半固形剤について

正式名称はラコールNF配合経腸用半固形剤。製剤を半固形化することで、粘度を保ち、短時間(10分~15分)で注入可能。液体タイプより下痢などの消化器系SEが少ないとれ重宝されていた。在宅患者で選択される半消化態栄養剤でもこのラコール半固形の占める割合は半分くらいあった。

ちなみに経腸栄養剤はタンパク質の組成により以下の3種類に大別される

①半消化態栄養剤
・液体:イノラス、エンシュア、エネーボ、ラコール
・半固形:ラコール半固形、イノソリッド
消化態栄養剤:ツインライン
成分栄養剤:エレンタール

現場での処方量としてはエンシュア=ラコールNF配合経腸用液>ラコール半固形>>エネーボ・イノラスという感じですね。以前の職場は個人在宅が多かったのでラコール半固形が圧倒的に多かったです。今の職場は施設在宅が多いので、液体タイプのエンシュア・ラコールがやや多めです。

代替薬イノソリッド配合経腸用半固形剤について

同じ大塚製薬が製造販売を行っており、2025年1月に販売が開始された。ラコール半固形の後継とされる。実際に大塚製薬のラコール半固形に関する販売中止のお知らせでも代替薬としてイノソリッドへの切り替えを推奨している。

イノソリッドの特徴は下記のWebサイトに詳しい説明があったので、一部抜粋させて頂きました。

参考HP:イノソリッドとラコール半固形の違い

ラコール半固形と同じ点

①カロリーはラコール半固形と同じ1kcal/1g

②水分量もラコール半固形と同じ228g/1袋

ラコール半固形との相違点

①投与量 イノソリッド:ラコール半固形=3:4の投与量設定となってる

②糖質、蛋白質、脂質、ビタミン、電解質量

③微量元素 ラコール半固形にはないヨウ素、セレン、クロム、モリブデンが配合されている

④その他の成分 ラコール半固形にはないカルニチン、コリンを含む

 

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