とある患者さんでひと悶着あったようなので忘備録に残しておこう。
経緯は以下の通り。
当該患者さんは60代女性。長らくノボラピッド注フレックスペンを使っていたがイマイチ合わなくなってきたようでインスリンを変更することになった。
それでノボラピッドに変わり新たに処方されたのがインスリングラルギン。
薬剤師なら分かると思うがインスリングラルギンは持効型インスリンでランタスのバイオシミラーである。そしてノボラピッドは超速効型のインスリンだ。
鑑査した薬剤師はそのまま交付した。
そして翌日、病院から医師の処方間違いで本来は速効型のレギュラーインスリンを処方したかったとのことであった。
私はそのやり取りを横で聞いていたけど、そもそもノボラピッドからグラルギンに変更されてる時点で代わりになる訳ないし鑑査の時点で疑義するのが妥当だろう。あるいは投薬の時点で患者に聴取していれば一般的な知識を持っていれば疑義で確認する運びになると思う。
何故スルーをしたのか薬歴を見ていないので詳細は分からないが、まさか、インスリンはどれも同じで医師の好みで選択してるとか思ってないよね…?
ちなみに病院からの連絡に対応した管薬はインスリングラルギンを中間型だと思っていたらしいので更に恐怖を感じた。
何処の医療機関でもそうだが、医師も人間なので処方を間違えることもある。それを我々薬剤師が止められなければ薬剤師が存在する意義はない。
医師の処方が正しいことを前提とした鑑査なんか意味ないんです。形式的な鑑査が出来ても薬学的な鑑査が出来ない薬剤師は患者さんの生命を危険にさらすので、もう少し危機感持って知識を付けて欲しいものです。